AIに仕事を奪われる?Web系フリーランスが生き残る働き方と必要なスキル

AIに仕事を奪われる? Web系フリーランスの生き残り方 作業の先で選ばれる人へ

「AIで記事もデザインも作れるなら、自分の仕事はなくなるのでは」
「前より案件が取りにくくなった。このまま続けていて大丈夫かな」
そんな不安を抱えながら、毎日の仕事を続けているフリーランスは少なくありません。

AIに置き換わりはじめているのは、仕事そのものより、仕事の中の「作業」です。速さと安さで選ばれていた作業ほど、AIと比べられやすくなりました。一方で、AIで作業を速くしながら、以前より頼られる場面を増やしている人もいます。

この記事は、すでにWebの仕事をしている人に向けた内容です。AIに奪われやすい仕事と奪われにくい仕事、AI時代に必要なスキル、AIで空いた時間の使い方を、メイカラの勉強会の実例とあわせて紹介します。例はライターやデザイナーの話が中心ですが、広告運用やSNS運用、オンライン秘書など、ほかの仕事でも考え方は同じです。

記事監修

久保田 亮(チャーリー)

株式会社メイカヒット代表。

2020年に副業でブログを始めて2年で月収100万円達成。
Webライターとしても上場企業のLPやコピーライティングの経験もあり。

現在はSEOを中心としたマーケターとして取引企業150社以上、顧問先5社。

田中 凌平

株式会社メイカヒット代表。

副業Webライターを1年経験後に独立。これまで上場企業を含めて幅広いジャンルのSEO記事やコラムを1,000本以上執筆した。

現在は年間150名以上に取材を実施する、日本インタビュアー協会認定インタビュアー。取材を通じて人や企業の価値・想いの言語化に貢献している。

目次

AIに仕事は奪われる?なくなるのは「仕事」より「作業」

夕方のリビングのソファで、膝にのせたノートパソコンを見ながら考え込む40代のWeb系フリーランス
フクロウ教授

AIで仕事がまるごと消えるというより、仕事の中の「作業」がAIに移っていく、と考えると整理しやすくなります。

「労働人口の49%」という数字の読み方

「日本の仕事の半分近くがAIに置き換わる」という話を、聞いたことがある人も多いかもしれません。もとになっているのは、野村総合研究所が英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授、カール・ベネディクト・フレイ博士と共同で行い、2015年12月にニュースリリースとして出した試算です。国内601種類の職業を調べた結果、10〜20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業で、技術的には人工知能やロボット等による代替が可能と推計されました。

ただし、この数字は「技術的にできるかどうか」の推計です。リリースには、実際に置き換わるかどうかは社会環境の影響も大きく、試算ではそれを考えていないと書かれています。仕事の一部分だけをコンピューターが担う場合も、検討の外です。

同じリリースでは、他者との協調や理解、説得、ネゴシエーションが求められる職業は、代替が難しい傾向があるとも示されています。2015年に出た「10〜20年後」は、2025〜2035年ごろのこと。いまはもう、予測の期間に入っています。つまり、「何割の仕事が消えるか」より、「自分の仕事のどの部分がAIに移るか」を見るほうが、次の手を考えやすくなります。

案件が取りにくいのは、気のせいではない

2026年6月に開かれたサロンの相談会では、案件が取りにくくなったと感じるのは気のせいではない、という話から始まりました。実際に、市場は大きく変わってきていると思う、という見方です。

AIで、リサーチや文章のたたき台づくり、文字起こし、情報整理が数分でできるようになりました。そうした作業を人に頼む場面は、減りつつあります。案件が取れないのは、自分の努力が足りないせいとは限りません。

おさるくん

最近、応募しても返事が来ないことが増えたんだ…。自分のせいだと思ってたよ。

フクロウ教授

市場が変わったのなら、戦い方を変えればいいのです。打ち手はちゃんとあります。

悲観しすぎなくていい理由

メイカラ代表で、この記事の監修者でもある久保田は、2026年9月30日のYouTubeライブで、多くの人がAIを逆風のように受け止めているけれど、自分はむしろやりやすくなった感覚がある、と語りました。苦しんでいる人もいるけれど、解決策は絶対にあると思う。いまの時代でも、ちゃんとやれている人はたくさんいる、という考えです。

一方で久保田は、スキルだけを勉強すれば稼げる、という言い方はしたくないとも言います。以前は、勉強してクラウドソーシングで案件に応募すれば稼げた。いまはそうはいかない、という実感からです。悲観しすぎず、かといって今までどおりでもいられない。その間で、何を変えるかを考える必要があります。

AIで一人でできることが広がった先の働き方は、こちらのライブで詳しく見られます。

AIに奪われやすい仕事・奪われにくい仕事(Web系フリーランスの場合)

コワーキングスペースの打ち合わせ席で、資料を指さしながらクライアントに提案するWeb系フリーランス
フクロウ教授

職業の名前ではなく、仕事の中身で分けて考えてみましょう。同じライターでも、奪われやすい仕事と、奪われにくい仕事があります。

奪われやすいのは、速さと安さで選ばれる作業

AIで記事もデザインも動画も量産できるようになり、速さと安さだけで選ばれていた仕事は、AIと比べられやすくなっています。

久保田自身の現場でも、変化ははっきり出ています。これまで1週間かけないとできなかったことが、いまは1時間でできるようになっているそうです。作業にかかる時間がそこまで縮むと、時間と件数で値段が決まる仕事は、AIと比べられやすくなります。

奪われやすい仕事には、次のような共通点があります。

  • 手順が決まっていて、毎回ほぼ同じ形で納品する
  • 「誰が作っても同じ」と見られやすい
  • 依頼する側が、AIで自分で済ませられる
  • 作業時間と件数で値段が決まる

奪われにくいのは、判断・人とのやり取り・責任が伴う仕事

反対に、奪われにくいのは、相手の状況をくみ取って判断し、最後まで責任を持つ仕事です。2026年6月の相談会の質疑では、ある会員さんが、AIの出したものを精査する人、判断する人、責任を取る人の価値は、これからますます高まると思う、と話していました。

Web系フリーランスの仕事に当てはめると、次のように分けられます。

スクロールできます
奪われやすい仕事奪われにくい仕事
指示どおりにまとめる記事の量産取材や体験をもとに、その人にしか書けない記事を書く
テンプレートどおりのバナー・画像制作誰に何を伝えるかを決めて、デザインの方向を提案する
文字起こし・データ入力・情報の整理AIの出したものを確かめ、責任を持って納品する
決まった手順の投稿づくりや入稿数字を見ながら、運用の改善まで提案する
単発で終わる作業の受注ほかの得意な人と組んで、まとめて請ける仕事

左の列の作業がすぐになくなるわけではありません。ただ、左の列だけで仕事をしていると、AIやより安い人と比べられがちです。右の列に一つでも足していくと、頼まれ方が変わってきます。

おさるくん

仕事の名前じゃなくて、どこまで自分で考えて引き受けているかで分かれるんだね。

ライターの仕事に絞った話は、こちらで紹介しています。

デザイナーの仕事に絞った話は、次の記事が詳しいです。

AI時代に必要なスキル5つ

夜のデスクライトの下で、AIで作った原稿を印刷し赤ペンで確かめるWeb系フリーランス
フクロウ教授

AIを使える力に加えて、AIにはできない部分を担う力が求められます。5つに分けて見ていきましょう。

1. AIを道具として使いこなす力

久保田は、スキルがないと、そもそもAIは使いこなせないと言います。どこに向かうかが分かっていない人が車や電車に乗っても、目的地には着きません。それなら、目的地が分かって歩いていく人のほうが早く着く。何のために作るのかという入り口と、どんな完成の形にしたいのかという出口が分かっている人ほど、AIを生かせるという考えです。

使わずにいると、AIを使う人と同じ土俵で比べられたときに、速さで差がつきます。まずは、いつもの作業のうち一つをAIに任せるところから始めると、取り入れやすいでしょう。

2. 良し悪しを判断し、責任を持って納品する力

2026年9月の相談会で、子育てをしながら在宅で働く会員さんが挙げたのは、AIは責任を持ってくれない、という点でした。AIが出したものが本当に相手の悩みを解決できるかを厳しく見極め、最後に責任を持ってOKを出すこと。それが人にしかできない、いちばんの付加価値ではないか、という考えです。

久保田も、制作物はAIが作ってくれるようになったと言います。制作のスキルそのものには、これからも価値がある。ただ、実際に手を動かすのはAIでいい。大事なのは、出てきたものの良し悪しが分かるかどうかだ、という考えです。

判断するには、仕事の基本が分かっている必要があります。AIが案を出す時代ほど、基本のスキルが「良し悪しを見極める目」として生きてきます。

3. 自分の経験と掛け合わせる力

同じ月の勉強会では、営業やコーチングの経験がある会員さんが、AIを使えるようになるだけなら、みんなできるようになると話していました。みんなができることには、価値が出にくい。だからこそ、これまでの自分の経験や、熱中できるものと掛け合わせるのがポイントだという見方です。

この会員さんは、すでに経験を積んだ人にとっては、その経験を最大限に生かせる時代が来た、とも伝えていました。前職の業界の知識、接客や営業の経験、子育ての経験も、AIと組み合わせれば強みになります。

おさるくん

これまでの経験が、ちゃんと武器になるんだ!

4. 成果の数字まで考える力

ライブで久保田は、分析やレポートづくりはAIでいいと言います。実際に動かして数字を作るところまでできて、初めて数字が読めていると言える、という考えです。

クライアントさんが本当に求めているのは、記事やデザインそのものより、その先の問い合わせや売上、手間の削減です。作業の量ではなく、成果で話せる人は、AIと比べられにくくなります。

成果をもとにした単価の上げ方や、伝え方の例文は、こちらで紹介しています。

5. 「この人なら安心」と思われる信頼

2026年6月の相談会では、同じくらいのスキルの人がいたら、最後の決め手は「この人と一緒に仕事をしたいか」だという話がありました。納期を守る、分からないことを放置しない、丁寧な言葉遣いをする。当たり前のことの積み重ねが、信頼になります。

久保田も、関係性で仕事をもらっていくなら、人としてどうかがとても大事だと話しています。相手に心から興味を持つこと、約束を守ること、TPOをわきまえること。シンプルで当たり前のことを、ちゃんとやれるかどうかです。

AIで作れるものが増えるほど、仕事を頼む側は「誰に頼むか」で選ぶようになっていきます。

フクロウ教授

スキルを増やすことより、いま持っているスキルを「判断」「経験」「成果」「信頼」につなげることが、AI時代の生き残り方です。

AIで空いた時間を、何に使うか

会議室のテーブルで、年代の違うフリーランス4人が付箋を見ながら仕事の分担を話し合う様子
フクロウ教授

AIで作業が速くなったあとが、本当の分かれ道です。空いた時間の使い方で、働き方が変わっていきます。

作業が速くなっても、一人の時間には上限がある

一人で受けて一人で納品する働き方では、受けられる仕事の量は、使える時間で決まります。AIで作業が速くなっても、空いた時間に同じ作業を詰め込むだけなら、いずれ頭打ちが来るでしょう。単価を上げても、一日の時間は増えないからです。

成果を考える・新しい仕事をつくる・仲間と組む

久保田は、AIで作業が速くなった分を何に使うのか、という問いに、自分の使い道を挙げていました。お客さんの成果について考え続けること。営業をして、新しい仕事をつくること。そして、仲間と組んで大きく動くことです。

個人でやるより、チームでやったほうが事業は大きく育つ、というのが久保田の実感です。デザイン、文章、営業など、それぞれが得意な領域を受け持つと、一人のときの上限を超えていけます。

メイカラのサロンでも、会員同士でチームを組み、企業のAI導入を支える仕事が生まれました。サロンから生まれたチームの例は、こちらで紹介しています。

仕事の入り口は、人とのつながりにある

フリーランス協会の「フリーランス白書2026」によると、フリーランスが仕事を見つける経路でいちばん多いのは「人脈(知人の紹介含む)」で68.3%、次が「過去・現在の取引先」で58.3%でした(2025年11月調査・1,426人)。AIで作れるものが増えても、仕事を決めるのは人と人の信頼です。

おさるくん

同じ仕事をしている人と組めば、一人で抱えなくてよくなるんだね。

自分がどれくらい一人で抱えているかは、自分ではなかなか見えません。いまの働き方を、一度タイプで確かめてみるのも一つの方法です。

いまの働き方のタイプと、次に伸ばすヒントがわかる

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今日からできる、AI時代を生き残るための3つのこと

朝の公園のベンチで、手帳に自分の経験を書き出すWeb系フリーランス
フクロウ教授

大きく方向を変えなくても大丈夫です。今日できる小さな一歩から始めてみましょう。

いつもの作業を1つ、AIに任せてみる

リサーチのまとめ、構成のたたき台、画像のサイズ違いの展開など、いつもの作業のうち一つをAIに任せてみましょう。空いた時間は、仕上げの確認やクライアントさんの成果を考える時間に回します。

任せてみると、AIが得意なところと、自分の目で確かめるべきところの境目が見えてきます。その境目が、これからの自分の仕事の中心です。

自分の経験を書き出して、AIと掛け合わせる

2026年9月の勉強会では、自分の経験を書き出して、AIと掛け合わせる短いワークが紹介されていました。手順は次のとおりです。

  • よく頼まれること、感謝されたこと、工夫して乗り越えたことを書き出す
  • 時間があるとき、つい自分からやってしまうことも書く
  • 書いたメモをAIに渡して、いまの仕事と掛け合わせる案をたくさん出してもらう
  • しっくりくる案を一つ選び、7日以内に一度試す

自分では当たり前だと思っている経験が、周りから見ると価値になっている場合もあります。

フクロウ教授

一人で書き出すのが難しいときは、仕事仲間に「私に頼みやすいことって何?」と聞いてみるのもおすすめですよ。

取引先や仲間に、近況を送る

フリーランス白書2026でも、仕事の入り口の2番目は「過去・現在の取引先」でした。以前一緒に仕事をした人に、最近取り組んでいることを添えて、短いメッセージを送ってみるのも一つの方法です。

一人で抱えていた不安も、同じ立場の人と話すと、意外と整理されていくものです。

相談できる仲間や、一緒に仕事ができる人の見つけ方は、こちらで紹介しています。

AIに仕事を奪われる不安でよくある質問

AIに仕事を奪われるのは、いつ頃・何割くらいですか?

野村総合研究所の試算(2015年)では、10〜20年後に労働人口の約49%が就いている職業で、技術的には代替が可能とされています。ただし、実際に置き換わるかは社会の状況にもよる、と試算自体に書かれている点には注意が必要です。2015年の「10〜20年後」は2025〜2035年ごろで、いまはその期間の中にいます。Web系の仕事では、すでに一部の作業が置き換わりはじめているので、時期を待つより、自分の仕事のどの作業が移りそうかを先に見ておくと、打ち手を考えやすくなります。

フリーランスはAIで失業したり、仕事がなくなったりしますか?

指示どおりに作るだけの仕事は、AIや低価格の依頼先と比べられ、減りやすいのは確かです。一方で、判断や提案、人とのやり取りまで任される仕事は残っています。仕事がゼロになるというより、仕事の中身が変わっていくと考えています。

AI時代でも、フリーランスは稼げますか?

作業の量で稼ぐ働き方は、AIで単価が下がりやすくなりました。一方で、成果まで考えて提案できる人や、ほかの人と組んで大きな仕事を請けられる人は、AIで作業を速くした分を、収入を伸ばす時間に回せるはずです。稼げるかどうかは、空いた時間の使い方次第でしょう。

不安なので、会社員に戻ったほうがいいですか?

会社員に戻るのも、フリーランスとして続けるのも、どちらも一つの選択です。ただ、会社の中でもAIで作業は変わっていくので、どこで働くにしても、判断や提案の力を伸ばすことは役に立ちます。決める前に、同じ立場の人に話を聞いてみると、選択肢が整理しやすくなります。

「AIに仕事を奪われる」は嘘ですか?

すべての仕事が奪われるわけではない、という意味では大げさな言い方です。ただ、作業の一部がAIに移っているのは事実で、何もしなくてよいわけではありません。不安をあおる話にも、楽観しすぎる話にも振り回されず、自分の仕事を作業ごとに見直すのが現実的でしょう。

まとめ:AIに仕事を奪われる不安は、作業の先を担う働き方で小さくできる

パソコンの前でコーヒーを手に一息つくフリーランス
  • AIに移っているのは、仕事そのものより「作業」。「49%」の数字は技術的な可能性の推計
  • 奪われやすいのは、速さと安さで選ばれる作業。奪われにくいのは、判断・人とのやり取り・責任が伴う仕事
  • AI時代に必要なのは、AIを使う力、判断する力、経験との掛け合わせ、成果を考える力、信頼
  • AIで空いた時間は、成果を考える・新しい仕事をつくる・仲間と組むことに使うと、一人の上限を超えていける

AIで作業が速くなった分を、何に使うか。そこに、これからのフリーランスの差が出てきます。一人で抱えず、組む相手や相談できる人を見つけながら、次の一歩を考えていきましょう。

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